さてさて。とうとう今年も残すところ一ヶ月をきりましたね。
来年から激動の時代に突入するだろう事を考えますと、
色々な意味で準備が出来る時間も、あと数十日と言う事になります。
いつぞやから書いておりますが。
まさしく「勝負の分かれ目」と言う時期で御座います。
と言うわけで、本日の話題に参りましょう^^
まずはこちらを御覧下さいませ。
それで、ですねぇ。
元々はロイター通信の記事みたいなので、大体の内容は正確です。
タイトルにもありますように、
『シリア内戦の「出口」が見えなくなっている』と言うのは、そのとおりです。
とにもかくにも混迷を深めるシリアを安定化させる事は急務です。
でまあ、ここで話題とするのは記事の後半に書かれている論評についてです。
んー。まあね。
ロイターさんの立場を考えると、反政府勢力に肯定的な立場であり。
ロシア。アサド政権に否定的な立場で意見を主張するのも無理からぬ事ですが。
でも、だからと言って。
それじゃあアサド政権を排除して、反政府勢力が勝利すれば全て解決するのか?
・・・と考えると、これは明らかに間違いです。
あのね。
これについては何度も何度も書いた事なので、しつこくて申し訳無いんですけど。
アサド政権を排除する事がシリアの安定化に繋がる。と思ったら大間違いです。
そんなわけがありません。
絶対にありえない事ですし、むしろ事態は確実に悪化します。
うん。これには明確な理由が御座います。
いつぞやにも話題にした事ですが、どうかリビアを思い出して欲しいのです。
シリアに先んじて発生したリビアの混乱では、果たしてどうだったのか?
ヨーロッパ各国の軍事介入もあってカダフィ大佐。カダフィ政権を排除した後。
リビアは安定しましたか?平和になりましたか?・・・そうじゃないでしょう?
カダフィ政権が打倒されて共通の敵。共通の目的が消滅した結果。
今度は反政府勢力が双方お互いに対立。抗争を始めてしまったのです。
結果的にリビアは泥沼の内戦状態に突入してしまいました。
うん。そうなんです。
私は、シリアがリビアの二の舞になる事を一番恐れているのです。
アサド政権を排除した後。
シリア国内の反政府勢力は一致団結してシリアを安定化させるでしょうか?
イスラム国などのテロ組織を追い出して、中東和平のために尽力出来るような。
平和的で民主的な新しい政権を樹立させる事が出来るでしょうか?
・・・私は無理だろう。と判断しております。
おそらく共通の敵。共通の目的であるアサド政権が排除された後は、
リビアの時と同様に反政府勢力同士での対立。抗争が勃発して、
シリア全土が泥沼の内戦状態に突入するはずです。
・・・そうなってしまえば、もうシリアを安定化させる手段など存在しません。
まあ、私が何を言いたいのか?と言いますとね。
欧米諸国は反政府勢力を、あまりにも過大評価している。と言う事で御座います。
アサド政権を排除すれば全ての問題が解決してシリアが平和になる。
・・・そんな事などありえないんです。それこそ単なる夢物語であり、幻想です。
必ず反政府勢力は、イスラム教における宗派。教義の違いを理由に対立するはずですし。
対立だけならばまだしも、今の今まで戦い続けてきた人々ですからね。
多少の流血など気にしない。とばかりに、必ず抗争にまで事態は悪化するはずです。
この流れは絶対に回避出来ない。
なぜならば、それが回避出来るくらいならリビアは安定しているはずだからです。
いや・・・まあ、そりゃあね^^;
もしかしたら、シリア国内でサラディンみたいな。
イスラム教の伝説的な英雄が出現して、奇跡的に国内が安定化する。・・・みたいな。
そんな奇跡のような可能性も無いとは言いません。
・・・私も神様ではないので未来の事はわかりませんからね。
でも、そんな小さな可能性。最初から神様の奇跡に期待するかのような。
無為無策で無責任な言動については、断じて容認出来ません。
アサド政権を排除すれば確実にシリアを安定化する。との確固たる見通しが無い限り。
私はアサド政権の排除には断じて反対です。
そして、逆に言えばアサド政権さえ健在であればシリアを安定化させる事は出来るんです。
ええ。出来ますとも。
アサド政権と反政府勢力の両者を存続しつつ、双方を支援する大国同士。
アメリカとロシアが協力すれば、十分にシリアを停戦。休戦状態にする事は可能です。
「停戦。休戦では根本的な解決にはならないぞ?」
そのとおりです。根本的な解決にはなりません。
しかしながら、今のまま事態が悪化し続けるよりはよっぽどマシです。
今のシリア情勢における最も現実的に実行可能なプランは、これ以外にはありません。
シリアを停戦。休戦状態にしておいて、イスラム国などのテロ組織を殲滅するのです。
テロ組織を殲滅させた後に、大量に発生した難民を祖国へと帰還させるんです。
・・・うん。そうですね。
これ以外に他に手段など無いだろう。と私は個人的に考える次第で御座います。
もし万が一にも。
アサド政権が排除されてしまえば、もう外圧による影響力の行使は出来ませんよ?
なぜかと言うと。
反政府勢力が次々に分裂して、双方お互いに対立。抗争を続けた挙句。
誰が敵で誰が味方なのか。まったくわからないくらいにグチャグチャになるからです。
本当に・・・いい加減にしましょうね?欧米諸国の方々。
出来ない事を、さも出来るかのように口にするのはやめなさい。
そろそろ現実的に実現可能な方法と言うものについて、考えて下さいませ。
・・・とまあ、こんな感じかな^^;
いやぁ~。まあねぇ。
アメリカが土壇場で軍事介入を撤回する。なんて事が無ければ。
また、ウクライナで紛争が発生して、無駄に欧米諸国とロシアが対立しなければ。
もっと迅速で。もっと的確に問題を解決させる事は十分に可能だったんです。
それなのに。
ここまで事態が悪化して、これだけ多大な労力を浪費する割りに。
極めて中途半端な後始末しか出来なくなったのは・・・。
欧米諸国の政府首脳が、揃いも揃って安全保障を軽んじてしまったからです。
一番最初にも書いた事ですけれど。
来年は激動の時代に突入します。もうどうにもなりません。
今この瞬間が最後のチャンスなのですからね。ぜひとも賢明な判断をして下さいませ。
それでは本日はこれで失礼させて頂きます。皆々様。おやすみなさいませ^^
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