うん。仲介裁判所による判決が出たみたいですね。
判決の内容としては、大方の予想通り。中国の主張が否定されたものでした。
こちらの日経さんの記事に詳しく書かれております。
基本的に今の中国が行っている南シナ海の言動と言うのは、無計画なものです。
中国の影響圏。支配権の拡大を行うために。
軍事的恫喝を背景としたゴリ押しを延々と続けているだけの状態です。
その結果として国際社会における中国の立場が急速に悪化して、
孤立化への道を突き進んでいる。と言うのが実情になるかと思います。
うん。まあ、少なくとも習近平よりも以前の中国では。
恫喝と懐柔。アメとムチによる国家戦略を展開しておりまして、
実際にね。ある程度の成果を上げていたんですけれども・・・。
これが習近平の時代になってから、やり方が一変してしまったのです。
んー。簡単に言いますと、アメとムチのアメが無くなったわけです。
と言いますのも。
習近平の度重なる失策によって中国の状況が悪化してしまって。
相手にアメを提示するだけの余裕が無くなってしまったわけです。うん^^;
えーと。中国政府。中国共産党の立場としては、ですねぇ。
確かにね。対外的な影響力の拡大も重要な目的としておりますが・・・。
しかしながら、それ以上に重要な目的として支配体制の維持が存在します。
従来の支配体制である中国共産党の一党独裁体制の維持。
これこそが中国共産党にとって最大の目的になるわけですね。
そして、現在の中国の国内情勢。中国経済は悪化の一途を見せております。
つまるところ。
中国共産党による支配体制を維持するために国内情勢の改善。
中国経済の改善こそを最優先としたがために。
対外的な影響力の拡大が二の次と言う扱いになっているわけであり。
それゆえに。
相手を懐柔させるためのアメを提示する余裕が無くなった結果。
強気一辺倒の軍事的恫喝を延々と繰り返すだけ。と言う現在の状況になったわけです。
とまあ、このように。
物凄く単純な理屈で今の中国と言うのは動いているわけで御座います^^;
これは裏を返せば、複雑な事を考えている余裕が無い。と言う事になるかと思います。
で。
ここから考えますと半ば必然的な話として。
今回の仲介裁判所の判決を拒絶した事につきましても・・・。
その場の成り行き任せの言動であり、特に何らかの思惑があっての事ではありません。
あくまでも目先の損得による判断だと思われます。
また中国政府。中国共産党。習近平が失敗した。失策だった。敗北だった。・・・と、
そのような事実を覆い隠すため。
中国国内での批判を受ける事を避けるための言動でしかない。と言う事ですね。
さて。そんなこんながありまして。
今回の判決を受け入れない。と中国が主張した事によって。
現在の中国は完全に国際法を無視している。と言う事が世界各国の共通認識となりました。
この事実に加えまして、昨今の低迷する中国の経済状況を考慮しますと・・・。
「中国に味方をしても利益が無い。むしろ大多数の国々を敵に回す事になる」
・・・と言う事実が確定した事になるかと思います。
当たり前の話になりますが、今まで以上に中国は窮地に立たされる事になります。
今までの中国も相当に無理を重ねておりました。
中国国内への対応と中国国外への対応を同時に行ってきましたが。
そろそろ片方を切り捨てて、残る片方に集中しなければならなくなるでしょう。
繰り返しますと、中国共産党の最優先の目的は現在の支配体制の維持です。
そんなわけで。
これからの中国は、対外的な国家戦略の転換を余儀なくされる事になるでしょう。
んー。具体的に申し上げますと・・・。
「国際社会に対する協調路線を全面的に押し出しつつ、
中国経済の低迷による国内情勢の不安定化を全力で阻止する」
・・・と言う事を考えるようになるのが、妥当なところかと思います。
ですが、そうは問屋が卸さない。
何事もそう上手くはいかないのが世の常で御座います^^;
今の中国が対外的な戦略の転換。国際社会に対する協調路線に変えようとすれば。
その場合に最大のネックになるのが、最高権力者である習近平の存在です。
そもそもの話としても。
今のように中国が危機的な状況に陥った最大の原因は、習近平の度重なる失策です。
うん。まあ、確かにね。
中国の経済成長が鈍化して、それにより国内情勢が不安定化する事。
それにより中国共産党の一党独裁体制と言う極めて歪な支配体制が揺らぐだろう事は。
遥か以前から指摘されておりましたし。
それを考えれば習近平が存在しなくとも遅かれ早かれ。中国は今のような状態になった。
今のように中国経済が低迷して手詰まりの状態。自縄自縛の状態に陥っていた。
・・・と言えなくもありません。
でも、それを考えましても。
習近平の度重なる失策が致命的なまでに中国の不安定化を早めた事については。
これは否定する事が出来ない極めて重要な事実であるかと思います。
まあ、何が言いたいのか?と言いますと。
もはや習近平にとっては、たった一度の失敗も許されない状況だと言う事です。
国際社会との協調路線を選ぼうとすれば、どうしても国外戦略の転換が不可欠です。
でも、それは同時に従来の国外戦略が間違っていた。と認める事にもなります。
今の習近平には、それが出来ないんです。
んー。ぶっちゃけますとね。
今回の仲介裁判所の判決に対して、中国がバカ正直に応じる必要って無かったんです。
ええ。判決に従うフリをすれば良いんですから^^;
一つのパフォーマンスとして判決に従う。との公式声明を出して。
後は素知らぬ顔をしている。と言う選択も無いわけではありませんからね。
少なくとも、断固拒否する。と主張よりは国際社会を敵に回す事はありません。
うん。十分に時間稼ぎくらいは可能だったはずです。
なので、今回のように即座に反発して。
仲介裁判所の判決など認めない。拒否する。などと宣言するのは悪手もいいところ。
無駄に国際社会と対立して中国の孤立化を内外に知らせるだけですから。
だから、そんな風に考えますとね。
今回の中国の主張と言うのは、かなり異常な事でもあるんです。
・・・さて。それでは中国は、なぜ従うフリをしなかったのでしょうか?
時間稼ぎを選ばずに、真正面から対決するような姿勢を見せたのでしょうか?
うん。その理由は一つしかありません。
今の習近平は、従うフリすら出来ないほどに追い詰められている。と言う事です。
ちなみに、参考程度までに書きますとね。
私達日本の場合。東シナ海の尖閣諸島の場合でも同じ事があったんです。
これは少し昔の話で、それも極めて短期間・・・と言うか一瞬の話だったのですが^^;
実は日中両国が和解した事があったんです。
でも、和解内容が公表された瞬間に中国の国内世論が反発したんです。
「日本側に譲歩した。事実上の中国の敗北だ。中国政府は弱腰だ」
・・・と言うような反発が発生したために。
中国政府。習近平は即座に和解を反故にして強硬姿勢。反日を継続したわけです。
そんな事もありまして。
今の習近平にとって「相手に譲歩する」と言う選択肢は最初から存在しないんです。
それが仮に単なるパフォーマンスだけだとしても習近平には出来ない。
だとすれば、国際社会に対する協調路線など今の習近平に選べるわけがないんです。
国内世論の反発。自分に対する批判が恐ろしいからです。
と言うわけで、ここで前回の最後に書いた話になります。
中国国内で習近平と中国共産党の対立が発生して、それが激化するだろう事は。
これはもう確定事項なんです。
これについても、改めて確認しておきますね。
習近平は絶対に譲歩出来ない。譲歩すれば自分の破滅以外には無いから。
だから、どうしても国外戦略の転換など出来ない。強硬路線を貫くしかない。
これに対して中国共産党は譲歩したい。出来る事なら今すぐにでも。
譲歩して国内情勢の安定化を優先させたい。自分達の支配体制を守りたいから。
この両者の対立と言うのは、もうどう考えても回避する事は不可能なんです。
だって。
対立を回避するために、今まで国内戦略と国外戦略の両方を同時にやってきましたけど。
さすがにね。もう限界になっておりますからね^^;
最後の望みをかけていた国際銀行。AIIBについても。
今回の判決を拒否する。と宣言した事による国際社会での孤立化が足を引っ張ります。
と言うかトドメになってしまいましたからね。
だから、何をどうしようとも・・・どうにも出来ない。どちらか選ぶしかない。
国際社会と対立してでも国外戦略を維持するか。
国際社会と和解するために国外戦略を転換するか。
習近平の自己保身を優先するのか。
中国共産党の支配体制を優先するのか。
この二つのうち。どっちかを選ぶ以外には無いんです。
それゆえに両者の対立は避けられない。激突する以外に道は無い。
さてさて。果たして、どっちが勝つのでしょう?
・・・うん。まあ、こんな感じで大体あっているかなぁ。と思います。いやはや^^;
それでは本日はここまでにしておきましょう。皆々様。おやすみなさいませ^^
[1回]
PR