政治 ブログランキングへ さらさらの部屋 これからの中東情勢は・・・やはり。もう一波乱あるでしょうね。 忍者ブログ
18 . April
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31 . December
えーと。前回は世界情勢の不安定化により、世界中の資金の流れが変わる。
リスク回避のために安全な場所へと流れる動きが発生して、
その中でもヨーロッパからアメリカに流れる動きが物凄い事になる・・・かも。
と言うような話で御座いました。


まっ。私は経済が苦手ですので^^;
それほど簡単に動きが確定するわけではないかもしれませんけれど。
それでも考慮しておくべきには、現実的な可能性があるかと思います。

うん。やっぱりね。
前回にも書きましたが、安全保障を伴わない経済戦略は成立しません。
これから先の時代。世界全体が激変する時代において。
単なる数値上における論理など無力である事でしょう。


さて。それで本日の話題なのですけど。
しつこいかもしれませんが、もう少しだけ中東の話題をさせて頂きます。
・・・この期に及んで、まだあるの?と呆れられてしまうかもしれませんが^^;
もはや中東情勢は、安定化する可能性が限りなくゼロの状態に陥ります。
ええ。もうイスラム国を倒せば、それで全てが終わる。と言う状況ではありません。


と言うわけで、まずはこちらをご覧下さいませ。
http://www.sankei.com/world/news/151229/wor1512290007-n1.html

こちらは産経さんの記事で、サウジアラビアに関する事が書かれております。
世界的な原油価格の下落によりサウジアラビアが2年連続で赤字財政になった。
・・・と言うニュースなのですけれど。
うん。これ一つだけでも、相当にヤバイ事がわかってしまいます。



既に何度か中東情勢について書いてきましたが、
今現在の中東地域には従来に存在してきた安全保障体制が存在しておりません。
もう消滅してしまっている状態であり、これは極めて危機的な状態です、
極端な事を言えば、すぐにでも中東全域が火の海になっても不思議じゃない状態です。

でまあ、中東地域における従来の安全保障体制とは。
イスラエルの存続を最優先として構築された、アメリカ中心の安全保障体制です。

色々な意味でルール違反のイスラエルを中東諸国に容認。黙認させるために。
あらゆる懐柔策がアメリカを中心として行われた結果。
一応の安定を見せていたのが、従来の中東情勢であり。従来の安全保障体制でした。

うん。ここまでの事は既に書いたと思います。




でね。

この安全保障体制について、もう少しだけ詳しく書いていきますと・・・。
まずアメリカは大多数の中東諸国を懐柔するために。
一つの基準を構築したんです。
つまりは、イスラム教の多数派であるスンニ派を優遇する事です。

えーと。これは安全保障の知識の一つになるんですが・・・
不特定多数。地域一帯を懐柔するためのセオリーとしては。
多数派を優遇する事で、大多数の支持を獲得する。と言うものがあります。
・・・まあ、単純な話として一つ一つ少数派の意見を取り上げるよりは。
手っ取り早く懐柔させる事が出来る。って事ですからね。
なので、アメリカは従来の中東戦略の基本方針として。
イスラム教スンニ派を優遇し、その反対にシーア派を冷遇してきた歴史があります。


さらに付け加えるのならば。
ここに君主制と言う旧来の国家システムに対する肯定。黙認なども含まれます。
ええ。アメリカは中東諸国に対して民主化しろ。とは、あまり強く言いませんでした。
・・・少なくとも、中国よりは強く言わなかったはずです。
このようなアメリカの態度についても懐柔策の一環です。
旧来の国家システムである君主制を肯定する事によって、
中東諸国の有力者。権力者からの支持を獲得し、懐柔し易くするためです。


んー。もう一つ付け加えましょう。
アメリカは、さらに中東諸国の支持を不動のものにするための手段として。
中東地域の利益を守ってきた事。
すなわち一定の原油価格を守る事で、中東諸国の利益を守ってきた事も指摘出来ます。
世界的に優遇された生活環境を守る事によって、中東諸国の不平不満を黙らせる事。
・・・イスラエルに対する批判を封殺し、黙認させる事を画策したんです。


これらの全てが、アメリカが従来に行ってきた中東戦略であり。
中東地域に存在していた従来の安全保障体制である。・・・と、
そのように私は個人的に考えております。



それで、ですねぇ。
ここから本題に入るんですが・・・今のアメリカ政府。オバマ政権って。
今しがた書いた事の全て。
今までアメリカが実行してきた中東戦略と、逆の事をやっているんです。

まず最初に、オバマ政権はスンニ派を優遇する事をやめました。
シーア派を冷遇する事をやめたんです。
先のイランに対する核兵器に関する合意による制裁解除。
これは今まで優位にあったはずのスンニ派諸国が警戒するには十分なものでした。
この合意において、極めて強力にサウジアラビアが合意に反発したのは。
自分達の地位。スンニ派の地位が揺らぐ可能性を考慮したがゆえの事です。

次に、オバマ政権は君主制についても否定する言動を見せました。
イランとの合意は、イランが行う民主的な選挙の肯定でもあり。
間接的には君主制を残るスンニ派諸国を否定するものでもあります。
そういう意味でもイランとの合意は、スンニ派諸国にとって認められないものでした。


最後に、オバマ政権は原油価格の一定額を維持させる事も放棄しました。
いえ、放棄するどころか。
自ら率先して原油価格を下落させるような言動すら見せております。
これは明らかに従来の中東戦略の方針に反するものです。

これにより中東諸国は産油国としての優位性。
半ば無条件に獲得してきた利益。国益の大部分に打撃を受ける事になりました。
そして、それは当然の話として・・・。
莫大な利益により封殺してきた不平不満が噴出して表面化する事を意味します。



・・・この不平不満と言うのは、本当に大きいのですからね?

まずスンニ派としてシーア派よりも優位であるからこそ。
両者の激突は回避されてきたんです。
しかしながら、ここにきてシーア派の地位が向上したとなれば。
相対的にスンニ派の地位は下がるわけで・・・両者の対立が再燃するのは自明の理です。

次に君主制と言う旧体制の国家システムに対する弊害も出てきます。
中東諸国において世俗派の民主化勢力が台頭し、
結果的にアラブの春が再び発生する可能性が出てきます。

うん。前回のアラブの春が、大多数の中東諸国で不発だったのは。
何度も言いますが、産油国としての莫大な利益があればこそです。
その利益があればこそ、君主制と言う国家システムへの不平不満は小さく。
そのために民主主義が拡大する動きは限定的に終わりました。


ですが、ここで問題になるのが昨今の世界的な原油価格の低迷です。
アメリカが一定額を維持してきたはずの原油価格が維持されなくなった事で、
獲得してきた産油国の利益が大幅に減少する事態になってしまいました。

当然ながら、次に発生するアラブの春。第二次アラブの春とも言うべき流れは、
利益の減少による国民の不平不満を後押しに行われるものであって・・・。
前回のように限定的な動きになる事は、まずありえません。
本格的な民主化の動きが中東諸国で拡大する可能性が極めて高くなります。



よろしいですか?
サウジアラビア。及び中東のスンニ派諸国は、これを一番恐れているのです。
シーア派の勢力拡大と、産油国としての利益の減少。それに伴う民主化の動き。
これら三重苦をサウジアラビア。スンニ派諸国が背負っているのが現状です。
これを打開するために彼らが極めて強力かつ。強硬な手段が行われたとしても・・・。
私は何一つとして不思議には思いません。


無論。だからと言って、私は君主制を肯定するつもりなどありませんし。
民主化の動きを否定するつもりもありません。
シーア派が不当に冷遇される状況が継続する事が望ましいとも思いません。
しかしながら。
無用な流血。数え切れないほど無数の命が失われる。となれば話は別です。
このような現状があるためにサウジアラビア。
または、中東地域のスンニ派諸国が本格的に動き出す可能性を考えると。
アメリカ。オバマ政権の動きは、少し軽率だったのではないか。と私は思います。


もう少し踏み込んで意見を言いますと。
おそらくサウジアラビアなどのスンニ派諸国は。
テロ組織であるイスラム国の動きなどよりも、シーア派の勢力拡大を警戒し。
何かの理由をつけて、シーア派を攻撃する事を画策している可能性がある。
・・・と、私はそのように考えております。

その理由はシーア派勢力を構成する組織体系にあります。
イランはもちろん。イラクも民主主義国家であり。
シリアのアサド政権についても、建前上は民主主義的な選挙を前提とした政権です。
つまるところ。
シーア派勢力と世俗派の民主化勢力が結託する。・・・と言う可能性が存在し。
万が一にも、そのような事になれば君主制のスンニ派諸国で片っ端から革命が起こります。
うん。その可能性をスンニ派勢力が考えているのならば。
今ここでシーア派勢力を攻撃して打撃を与える事によって、
スンニ派の優位性を確固たるものにしておこう。と考えるのが妥当だからです。


以前に私は、従来の安全保障体制が消滅してしまった事により。
イスラエルを守るものが何も無くなった。と書いた事がありましたけれども。
それと同じように。
従来の安全保障体制が消滅した事により、スンニ派勢力。
スンニ派諸国の優位性を守るものも無くなった。と言うわけです。
ならば、新しい安全保障体制を構築する。
それもスンニ派勢力の優位性が確保出来る形での安全保障体制を確立させるしか無い。
そして、そのためには。
国際社会において地位を向上させつつあるシーア派を、今ここで叩く以外には無い。

オバマ政権がレームダックとなり、アメリカが身動きが取れない以上。
シーア派を攻撃する好機は、今この時しか存在しない。・・・ってね。


うん。仮に私がスンニ派諸国の保守派ならば、間違いなくそう考えます。
先頃に結成されたサウジアラビアを中核とする対テロ連合が、
対シーア派連合になるのは時間の問題だ。と私が考えた理由は、こんな感じです




いやぁ~。何とも長くなってしまってしまいましたね^^;
それに・・・随分と遠回しな説明になってしまいました。ごめんなさい。
ただ。
それにしてもね。
アメリカ。オバマ政権が行う中東戦略と言うのは、極めて危ういものが多いのです。
特に最大の親米国家であるはずのサウジアラビアに対するオバマ政権の冷遇ぶりは、
ちょっとビックリするくらいに。驚愕するレベルです。

いえ、これはサウジアラビアに限った話ではなくて。
私達日本にとっても同じ事が言えるんですが・・・。
オバマ政権の特色として、同盟国に対する冷遇がハンパじゃありませんでした。

今でこそオバマ政権はアジア戦略として、中国に対抗する姿勢を見せていますが。
ちょっと前までは過剰に中国への配慮を行うあまり。
同盟国であるはずの私達日本への態度が極めて冷たいものばかりでした。
なので、私達日本の立場と致しましても。
今のサウジアラビアがどれほど苦しい立場にあるのか。
また、どれほど大きな不満をアメリカに持っているのか。よくわかるかと思います。



この点について今のアメリカ政府。オバマ政権って、まったく考えていない。
何一つとして考慮していないように思われてならないんですよねぇ・・・。
いや、そりゃあね。
イスラム国などのテロ組織への対応が優先されるのは十分理解出来ますけれど。
そのために同盟国を犠牲にしたり、そもそもの安全保障体制を否定してしまっては。
これは本末転倒なのではないでしょうか?

んー。わかるんですよ?
イランとの合意がオバマ政権の政治的遺産。レガシーになるわけだから。
サウジアラビアよりもイランを優先する。と言う姿勢はわからなくもありません。
しかし、その結果として今や中東情勢は爆発寸前です。
スンニ派とシーア派の激突が起こらないわけがない状況になっています。
これでは・・・さすがにね。
レガシー云々などと言っていられないのではありませんか?



・・・いや、もう遅過ぎるんですけれどね。
でも、オバマ政権は・・・もう少し慎重に行動するべきだったと思います。
特にジョン・ケリー国務長官については、何か新しい事を実行する前に。
今の現状を維持する。と言う事を行うべきだったと思います。

目先の利益が欲しいばっかりに、余計な事をして余計な敵を作ったり。
せっかく同盟関係にある同盟国を軽んじて。
挙句の果てに安全保障体制それ自体に実害を与えるべきではなかった。
世界秩序。世界平和を破壊してまで、レガシーを求めるべきではなかった。
・・・自分達の間違い。失敗を素直に認めず。
中途半端に誤魔化すような愚かな真似は控えるべきだった。と思います。


一応。言っておきますけれど。
中東地域と違ってアジア地域の安全保障体制が生き残っているのは。
ひとえに。
私達日本がアメリカの分まで安全保障の負担を背負っていたからです。
もしも私達日本が何もしなかったのであれば。
アジア地域も、中東地域と同じように安全保障体制が消滅し。
結果的にアジア全域が火の海になるような、恐るべき戦争が起こっていた事でしょう。

・・・少しだけでも良いので、どうぞ反省して下さいませ。




とまあ、ここまでにしておきましょう。
それにしても・・・はぁ~。中東の混乱は、止められませんでしたねぇ。
なんとも無念で御座います。
・・・まっ。私一人が悩んだところで、どうなんだ。と言う話ですけどね。いやはや^^;


それでは本日はこれで失礼させて頂きます。皆々様。おやすみなさいませ^^

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