と言うわけで。
ヨーロッパの難民問題を話題にさせて頂いたわけですけれども。
・・・まあ、これにつきましては。
本当にヨーロッパの方々の決断次第ですのでね。
私達日本を含めて、世界各国の立場としては。
どちらの場合でも対応出来るように準備しておく。と言う事以外にはありません。
うん。その延長線上の話題として、本日の本題で御座います。
まずはこちらをご覧下さいませ。
サウジアラビアが同じスンニ派34カ国による対テロ連合を結成したそうです。
うん。このニュースは非常に重大なものですね。
ついにサウジアラビアが本格的に動き出してしまった。と言うわけです。
これにより事実上。
中東地域に存在していた欧米主導による安全保障体制が完全に消滅しました。
・・・ええ。サウジアラビアを含めスンニ派イスラム諸国はアメリカ。
従来の欧米主導による安全保障体制を見限ったのです。
無論。サウジアラビアとしてはアメリカとの関係を継続するとは思いますけれど。
しかしながら。
アメリカ一国で問題解決出来る状況ではなくなってしまったわけです。
うん。そうですね。
このサウジアラビアが主導するスンニ派の対テロ連合と言うのは、
アメリカから独立した意思を持って行動する。と思われますからねぇ。
それに加えて、この産経さんの記事にも書かれておりますように。
イスラム国を想定した対テロ連合とは言いつつも。
おそらくは、イランなどのシーア派勢力に対抗するためである事は確実です。
つまるところ。
スンニ派とシーア派による宗教戦争が勃発する可能性があるわけです。
ここです。
この違いを世界中の全ての政治家は覚悟しておくべきで御座います。
今までの戦いは、あくまでもシリア内戦であり。
あるいは、イスラム国と言うテロ組織との戦いでした。
ぶっちゃけ。
この程度の戦いであれば、さして止める事は難しくはありませんでした。
アメリカ政府。オバマ政権がどれほど安全保障に不見識であったとしても。
無駄にウクライナに干渉した挙句。何の目算もなくロシアと対立し。
無意味に対ロ制裁などと言う無分別な行動をしていなければ。
とっくの昔に解決出来た問題だったのです。
しかし、これから先は違います。
万が一にもスンニ派とシーア派による宗教戦争ともなってしまえば。
これは、まったく別次元の話になります。
シリアの混乱が中東全域にまで拡大する。と考えて頂いて結構です。
中東全域において平和と安定と言う言葉が消滅する事になります。
それくらいに、この戦いを止める事は非常に。極めて難しいものになります。
・・・ヘタをすれば数十年間は継続するような恐ろしい戦争になるかもしれません。
はっきり言いまして、止めようが無いんです。
まあ、これは私個人の意見ですけれども。
サウジアラビアと言うのは中東諸国。イスラム諸国における最強国家です。
いわば『眠れる獅子』のような立場にあるのがサウジアラビアでした。
うん。仮にサウジアラビアが本気になったのだとすれば。
彼らだけでもイスラム国を叩き潰す事は可能でしょう。それくらいに強い国家です。
ですが、そのサウジアラビアは今ここに至るまで。
極めて消極的な動きしか見せておりませんでした。
うん。それこそイエメンにおける限定的な軍事介入程度で終わっていました。
安全保障の一切合切をアメリカに任せていたからです。
そうする事で膨大な軍事的な負担を背負わない事を選んでいたのですが。
しかし、中東情勢の混乱がサッパリ好転する気配も見せず。
また、オバマ政権がレームダックとなる状況になって我慢の限界を迎えたのか。
ここにきてサウジアラビアはその考えを改めつつあるわけです。
それが、今回のスンニ派諸国による対テロ連合だと言う事なのでしょうね。きっと。
うーん。サウジアラビアからすれば、今ここで動くことは当然なのかもしれませんが。
でも、出来る事ならば眠れる獅子には眠り続けていて欲しかった。
・・・と言うのが私の個人的な感想です。
その理由は今しがた書いたとおりです。
サウジアラビアが本気で動き出したら、極めて高い確率で宗教戦争に突入するからです。
そうなってしまったら、現状において中東地域を安定化させる手段はありません。
そうなる事を防ぐためにも。
サウジアラビアと言う眠れる獅子には、眠り続けていて欲しかったのです。
よろしいですか?
従来からのアメリカ合衆国。及び欧米諸国による中東地域の安全保障体制とは。
第一の目的として、この宗教における最終戦争の勃発を阻止する事。
それを最優先の目的として、この数十年間に中東地域で構築されてきたのです。
そうなんですからね?オバマ政権の方々。
アメリカの中東地域における安全保障戦略とは、つまりはコレです。
万が一にも中東地域で宗教戦争が勃発してしまったら、
本当の本当に。どうにもならなくなってしまうからです。
オバマ政権は、この最も基本的にして最優先とするべき事すら知らずに。
中東地域の安全保障戦略を扱って、今のこの状況を作り上げてしまったんです。
一体。
何のためにアメリカ主導の安全保障体制を中東地域に作り上げたと思っているんです?
中東地域の全てが火の海にならないようにするためだったはずです。違いますか?
サウジアラビアを筆頭に中東諸国は、もう十分に強い国家なのです。
ええ。かつてのように旧式の、古臭い装備で戦っているわけじゃないんですからね?
今この時にあって中東全域で宗教戦争が起こってしまったら、
一体誰が止められるというのです?
・・・アサド政権やロシアの事など二の次にしてでも、安全保障を優先するべきでした。
まっ。今更この話をしても仕方ありませんけれどね。
ともかく。
重要な事は、これから先の中東地域の安定化をどうするのか?と言う事です。
今までは一番早い段階で発生するために、ヨーロッパの難民問題を話題にしてきましたが。
問題の重大性と言う点では、こちらの問題が遥かに上回ります。
中東地域において、従来の安全保障体制が消滅してしまった今この時。
新しい安全保障体制をどうやって構築するのか。
それも、宗教戦争が勃発するよりも早く構築するためにはどうすれば良いのか。
現実的な解決手段を考えなければなりません。
うん。ここで真っ先に思いつくのがスンニ派の後ろにいるアメリカと。
シーア派の後ろにいるロシアが双方互いに協力して、
米ロ両国による新しい安全保障体制を構築する。と言う手段です。
これならば、これから先の宗教戦争を阻止する事は十分に可能です。
幸いにして。
前回にも書きましたようにアメリカとロシアの関係は改善されつつありますし。
宗教戦争が発生するのは未来の話であり、時間的な猶予もあります。
・・・まあ、今まで米ロ関係が悪化していたのは。
一方的にオバマ政権がロシアにケンカを売り続けていたからですからね^^;
そのオバマ政権の力が弱まれば、当然ながら関係改善に動くのは道理で御座います。
何にしても。今回のシリアにおける合意を利用して、今以上の事案。
スンニ派とシーア派に対する影響力を双方が行使する事によって。
宗教戦争と言う愚かしい。恐るべき未来の到来を阻止するのです。
全ては中東地域を火の海としないために。世界秩序。世界平和のために協力するのです。
そこまで実現して・・・ようやく中東地域に平和と安定を取り戻す事が出来るのです。
うん・・・まあ、なんとも長い道のりのような気がしますけれどもね^^;
でも、これをやらないと中東地域に平和を取り戻す事は出来ません。
どんなに困難であったとしても、やるしかないんです。
んー。ここにヨーロッパが加わってくれればねぇ。
アメリカ。ロシア。ヨーロッパの三者で中東地域の安定を目指せればねぇ。
まだ楽になるとは思うんですけれども。
でも、何度も話題にしてきましたように。
今のヨーロッパは難民問題が解決。または解決に向かって動かない限りは。
まともに身動き一つ出来ないでしょうからねぇ。
「自分達の事だけで手一杯。とても中東地域にまで手を伸ばしている余裕はない」
・・・と言うところでしょうから。
うん。まあ、今の段階ではヨーロッパはアテには出来ませんよねぇ。
なので、アメリカとロシアの双方によって中東地域を安定化させていく。
これを基本軸として、今後の安全保障戦略を構築するのが妥当である事でしょう。
うーん。最後に少しばかり蛇足の話なんですけど。
あの・・・経済力云々でロシアを軽視する時代は終わったのです。
これから先は経済よりも安全保障です。それゆえにロシアは極めて重要になります。
今までの常識。認識が通用しない新たな時代へと変わっていくのです。
そんなわけで。
安全保障において、どれだけの負担が出来るのか。どれだけの貢献が出来るのか。
それによって国際社会における地位。序列が決定していく時代になるだろうと思います。
・・・なるじゃないかなぁ。と私は個人的に考えているのでした。いやはや^^;
それでは本日はこれまでにしておきましょう。皆々様。おやすみなさいませ^^
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